新型コロナ肺炎の第2波、第3波に見舞われて、下火になりそうに見えたテレワークが再び盛り返して自宅で過ごすことが多くなった方もおられると思います。
テレワークが当たり前になると、社内のコミュニケーションで従来メール・電話・面談でやっていたことのうち、チャットで済む部分が如何に多いかに気づかされます。特にSlackのようにテキストチャットからワンクリックで瞬時にボイスチャット、ビデオチャットに切り替えられる環境があれば、わざわざウィルスが居る電車に乗って通勤する必要もない気がします。
Slackのような環境が当たり前になると、上司、同僚と実際に顔を合わせず、チャットだけで人間関係が成り立ちます。課の飲み会もZoomで十分酔えるし、気を遣わなくて、さっと切り上げられます。
最近、音声変換の機械やソフトウェアの性能が向上しており、男性が女性のフリをして電話に出てもパスできるようになりました。(声は高くなってもボイトレすなわち発声の訓練は必要です。)もし男性社員が音声変換ソフトを使い、上半身だけ女装してお化粧すれば、女子社員として働くことも可能かもしれません。Zoomのオンライン入社式で社員になり、ずっとテレワークすれば、女子社員として一生を送れるのでは?
社外の面談も慣れればZoomでかなり突っ込んだ交渉が可能です。フェイク女子社員としてZoomで営業をして契約を取り、その際に「一度実際にお目にかかることが契約書にサインする条件です」と言われたら……?!
テレワーク時代のさまざまな思惑と性のよじれが現実になったお話が バーチャルな恋人:今日から女の子になりなさい です。実話かもしれないと感じさせる長編小説で、何時間も浸りきれました。
新型コロナ肺炎をテーマにした性転換小説と言えば異性へのワープ。
妻を失った32歳の男性がヤケ酒で酔い、目覚めたらセーラー服の女子中学生になっていて、死んだ妻の中学時代へとワープしていたという長編小説。
横浜港のダイヤモンドプリンセス号事件と東北大震災を彷彿とさせるお話しですが、読後感として実際に心身が女になってしまったという感覚が長引くのが特徴です。
もう一つの新型コロナ小説もSF要素が入っており、男性サラリーマンと部下の女性がタイムスリップしてスペイン風邪が蔓延していた100年前の大正時代に行ってしまうのですが、2人の中身が入れ替わっていたというお話です。
ドラマのJINで大沢たかお演じる仁が江戸時代末期の日本にタイムスリップしてみたら綾瀬はるかの身体で目覚めたというシチュエーション、といえば分かりやすいでしょう。
百年越しの縁はそんなパロディーではなく、結構スケールの大きい文学作品だと思いますが、男性サラリーマン「僕」に感情転移して読み進むと、だんだん身体と心の奥底まで大正時代の女になってしまい、読み終えた後も男に戻るのが難しくなりました。